Deutsch

私は第二外国語としてドイツ語を選択している。

通っている大学では2年に進級する前にそのまま第二外国語を学び続けるか英語を再び学ぶかが選べるのだが、面倒くさがりを遺憾なく発揮し、期限切れに気づいたときには大学側からドイツ語を指定されていた。

 

2年に進級してから2ヶ月、私の通う先は大学から精神科へと変わっていた。

最初はうつ状態と仮診断されていたものが、ある日小中学校とも一時的にではあるが不登校であったこと、高校を中退したことを医師に伝えると「適応障害だね」と言われた。

もともと勉強が好きではないからますます勉強しなくなった。当然今まで学んできたことは綺麗さっぱりと忘れている。

たまにそうなっている自分に気づいて希志念慮を抱き、夏の終わり頃には希志念慮と共に生きていた。

そのうち潜水艦が沈んで、乗員が缶詰状態になって二酸化炭素中毒死したという話を思い出して部屋を二酸化炭素で満たして眠ってしまおうとしたのだが、濃度が薄かったのかガンガンとした頭痛がしただけだった。

 

次の日の朝には自殺に興味をなくし、父の部屋から"Das boot"のDVDを持ち出して観た。

私は汗だくになって潜水艦を動かし、ドイツ語を話すおっさん達に親近感を覚えた。

単細胞だからこのおっさんたちにより親近感を抱こうとして、入学前に古本屋で買った『ドイツ語のスタートライン』と『基礎マスタードイツ語問題集』を開いたのが先月末だったと思う。

アルファベートは言えるだろうと思っていたら"J"で引っかかった。ううむ。

とにかく問題集を何周かすれば覚えちまうだろうととっかかったはいいものの、問題文を書き写して回答する時間よりも辞書をひいている時間の方が長いという体たらくだ。

しかもおぼろげに覚えている英語よりもメンドくさい。前置詞の格支配ってなんだ、再起動詞なんか作ってるんじゃねえ、と悪態をつきながらノートに向かっている。

 

ドイツ語の単位がとれたら絶対英語にシフトしてやる、と思いながら明日も明後日もドイツ語に悪態をつき続けようと思う。