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『ベイマックス』

成人式のあとのパーティに出るための衣装を買うためにイオンへ行ったついでに、「政治的正しさ」(個人的に悪魔の証明だと思っている)云々で騒がれていた『ベイマックス』を観ることにした。

娯楽が一箇所に固まっているのはショッピングモールの利点だ。

券を買い、スナックの売店のナチョスに心を奪われかけるが、同じ値段でもっと豪華なナチョスがつくれると考え直してもぎりのバイトのところへ歩いていった。

あまりにも議論されているから、あまり子供向けでないストーリーなのかな、と心配していたが、家族連れも笑いながら観ていて安心した。

 

思うに、この映画はヒロが自律をもつまでの成長物語であった。ビッグ・ヒーロー・シックスは自分たちのもつ技術を使えば、私的な恨みで人を殺すことができた。実際にヒロは兄を犬死させたキャラハン教授を、ベイマックスを使って殺そうとした。ベイマックスはあくまでもロボットであるから、プログラムに沿って主人の命令に"務める"のである(「あなたの健康を守ります」というセリフはあるが、プログラムを変えてしまえばその言葉は無意味になる)。とはいえ、タダシの遺したビデオやビッグ・ヒーロー・シックスのメンバーがヒロを諌め、反社会的報復が根本的解決に繋がらないことを悟らせた。さらに、ヒロは、出来うる限り道徳に反さない解決策を考えだそうと努めるようになり、キャラハン教授の暴走を止めた。但し、彼は人命を救うかベイマックス(ロボット)と共に帰還するかを選択する場面で、自身の才能で再現できうるベイマックス(彼に収録された兄のビデオまでは難しかろうが)を選択しようとしたのには疑問が残った。キャラハン教授を殺さず、その人の命を重視したように見えたヒロはなぜベイマックスを選択しようとしたのか。